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古酒の味わい

一部のワインは、長い熟成期間を経て味わいに変化が出ます。

これは、科学的な解明はされていないようですが共通するのは『味わいの要素が深く酸がしっかりしているほど熟成する』傾向にあります。

私の好きなブルゴーニュでピノ・ノワールに絞って書いてみましょう。

AOCブルゴーニュのリージョンクラスで古酒も存在しますが、長い熟成期間を経ても味の深みは出ず、コンパクトに枯れた味わいになります。

しかし、プルミエ・クリュやグラン・クリュは長い熟成期間を経て味わいに大きな変化があります。


今回は味の変化率ではなく、熟成の見極めについて考えます。

熟成の見極めは人によってマチマチで今がピークと言える部分ははっきりしても『ピークの手前』や『ピークを過ぎつつある』については、その人の経験値と好みになります。


特にピノ・ノワールのような繊細な葡萄は熟成においても繊細です。
それは、カベルネやシラーとは大きく違い繊細さ故の難しさがあります。
カベルネを主体にしたボルドーよりも寿命は短く儚くあります。

だからこそ、ピノ・ノワールの熟成した味わいに魅了されるのでしょう。


ピノ・ノワール以外もそうですが、しっかりした酸が無いと葡萄のパワーが勝ってしまい熟成させると輪郭のぼやけたものになり、大変残念なワインになります。


参考までに、ワイン業界で最大の権威があり広告出校を拒絶して批評をするロバート・パーカーの飲み頃を見るとずいぶん若いうちに飲み頃が終わると感じています。


もしかしたら私が古酒に対して、もしくは飲み頃のピークの感じ方が遅い方なのかもしれません。


いつも思うのは『飲み頃のピークを過ぎつつあるワイン』を飲むときに残念に思ってしまうのか?楽しめるのか?で古酒の楽しみ方が違うのでしょう。

前者の方はピークを早めに感じるでしょうし、私のような後者はピークを遅めに感じるでしょう。


もしくは、熟成のピークを迎える前のワインはどうでしょうか?
これは、結構難しいと思います。
私は良い要素が出始めていれば仕方ないと思うようにしています。
そして、その先にあるピークを想像しながら楽しむようにしています。
個人的に、そこに嫉妬感を抱かなかっただけ自分の感じ方にホッとしたりもします。
最近グランヴァンで飲み頃のピークを迎える前のワインはありませんが、過去には2009年?に飲んだシャトー・ラトゥール1993はボトル1/3になってから猛々と香りを放ち始めました。


私がワインの飲み頃を迎える前や、過ぎつつあるものに残念とはほとんど思いませんが、残念に思ってしまうのは飲み頃を全く迎えていないものや固く閉じてしまった飲み頃を迎えていないワインです。
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by nationalwinedemo | 2016-01-31 05:48