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ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー コトー・ドール2018

今年もボジョレー・ヌーヴォーを飲みました。

ワインの楽しみ方は人それぞれですが、日本ではワインに入門する、普段あまりワインを飲まない!方がヌーヴォーを。
少しワインをかじってくるとヌーヴォーを批判的に。
ワインにハマりだすとヌーヴォーは無視する(笑)
こんなパターンをよく見かけます。

先にも書きましたが、ワインの楽しみ方は人それぞれです。

邦人は新しいもの好きで、初カツオ、新米、新そばなど収穫されたその年の物を楽しむ風習があり、そこにボジョレーも1つの企画として定着していました。
しかしながら、邦人はブランド好きでもあるためボジョレーの新酒に人気が集まる一方でイタリアの新酒ノベッロやオーストリアのホイリゲに目を向ける人は極少数です。

しかしながら、ここまで成長したボジョレー・ヌーヴォーも年々陰りを見せており、ここ10年での輸入量は減少し続けています。
そこには、航空運賃が掛かった割高な印象や、新酒ならではのフレッシュなものと通常ワインの低価格でボディのしっかりしたものを勘違いした比較対象であったりしますが、個人的には下記が最もな理由と推測しています。

それは、過去にジーパンはステイタスある履き物として雑誌でも販売店でも並び多くの方が着ていました。
それが、新興カジュアルチェーン店による低価格商品が出回り、さらにはGMS(総合スーパー)で¥990が売られると、愛好家の大半はジーパンのステイタスを過去のものとしてジーパンは安いものと高価格なものの2つに分かれ、その商品の違いを理解するものが減って市場は衰退しました。

ボジョレーはこの状況と同じ轍を踏んでしまったように思う。
航空運賃やマーケット販促費用が上乗せされた割高感を解消した、品質に顧みない一部のペットボトルワインが出回ると、その数年はこの低価格なボジョレーに消費購買が流れたものの、この消費者達が継続してボジョレーを買うことは少なくなり安物と今まで売っていたボジョレーはより割高になり購入の対象から消費者が敬遠しがちな状況を作り出してしまった。

もちろん、売れるからと各インポーターが生産者を回り低価格なもの、高品質で高価格なものをきちんと表現する事が出来ない流通にも問題はありますがそれはボジョレーに限りません。

恐らく、ボジョレー・ヌーヴォーは今後も衰退の一途を辿るであろうが、どこで下げ止まりするのだろう?
それは、誰も知る由の無い事だが、一ワイン愛好家としては残念なことだ。

それは、ボジョレー・ヌーヴォーが衰退していることが残念なのではなく、文化として根付かない新酒の楽しみであり、新酒を飲んでいたのが、中途半端な経験値で途中からヌーヴォーに批判的になる事である。

比較対象としては違うと言われるかもしれないが、初心者マークを付けた自動車運転手を煽っている奴とヌーヴォーを批判する者が同じ方向に見えてしまうのは私だけなのだろうか?

このボジョレーヴィラージュ・ヌーヴォー コトー・ドール2018はフランソワ・マルトノがプロデュース低価格なもの。
恐らく国内流通のヴィラージュクラスでは最安値に入るが、マルトノプロデュースの影響なのか?ヴィンテージの影響なのか?
低価格にありがちな残念な品質になっていない。
また、翌日でも明らかなヘタリ感が無かったのも好印象。
ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー コトー・ドール2018_d0351213_08524404.jpg

by nationalwinedemo | 2018-11-18 08:56